犬小屋

舞台の感想

2.5から宝塚までいろいろ見た感想など

【舞台】タイタニック

10/19 昼公演 シアタードラマシティ

 

前回はいまいち興味が持てずスルーしたのですが再演の評判がとてもよく見なきゃ後悔するかもなあとチケ難でしたが前日に運よく譲渡してもらえたので行ってきました。今月三回目のドラマシティ。客席が満席でホッとしました。いやポラリスがガラガラすぎて、左右がずっと空席だったりしたのでこれ舞台からすごく目立ってるんじゃ…と気が気じゃなくて落ち着いて鑑賞できなかったんで。客層は意外と年配の男性が多く、女性も幅広い年齢層で居心地よかったです。

 

一応加藤くんアンドリュースが主役ということにはなっていますがほぼ群像劇。その中で設計士というアンドリュースの立場が特殊ではあるけど出番が多いとか際立って主役という感じではありませんでした。でもタイタニックの産みの親という全体を象徴するような、それは未来への希望とか人間の叡智とか技術の進歩における傲慢さとか大事な人を思う愛情とか組織の中の軋轢とか職業人としての矜持とか、作中におけるすべてを内包した存在であるからこそやっぱりアンドリュースが主役であり座長であるんだなあと鑑賞後は納得しました。どなたかの感想で今回のアンドリュースにはタイタニックを生んだという母性を感じるというのがあってまさにそれ!と思いました。

 

あとやっぱり加藤くん立ち姿が圧倒的に美しいし、誰が主役かっていったらそりゃ彼だろうという説得力がすごい。華があるってこういうことか。タキシード姿が本当に素敵だったので食事のシーンほぼ座っちゃってたのがもったいなかった。沈んでいく船の中でいまさら壁がもっと高ければ!とペンもないのに手で設計図を修正する様には狂気を感じたし、最期のソロが「秋よ」なのも憎かった。あの映画でもレオ様がやってた傾く甲板で手すりを乗り越えるやつ、手が滑ったらけっこう危ないと思うのでひやひやした。怪我無く終われますように。

 

キャスト全員すばらしかったけど、特に栗原さんエドガーと霧矢さんアリスのビーン夫妻が本当にキュートで、別れのシーンで席が下手でアリス越しにエドガーを見れたんだけど栗原さんの表情がめちゃくちゃ切なくて泣けた。いい夫婦だったのに…。こんなことがなければこの先も喧嘩して仲直りしてを繰り返して仲良く年を取っていけただろうということが想像できるだけに辛かった。霧矢さん、元トップスターなのにこういう俗っぽい役が似合うの意外でした。栗原さん素敵だったな~また別の舞台でも見てみたい。

 

エッチスも仕事中とオフの切り替えがずるいくらいかっこいいし(エドガーとタバコ吸うとことか)清濁併せ呑む大人の男感がすごくよかった。イスメイも、本来はもっと憎むべき人なんだろうけど、誰だって自分の中に彼みたいな部分がないとは言えないだろう?と突き付けられているようですごく考えさせられた。イスメイを愚かで浅はかで卑小な人間だと糾弾してもそれはそのまま自分に返ってくる。最後の大合唱でもういない人たちが希望に満ちた表情で歌う中、自分のしたことの大きさを知りつつ今更なす術もなく泣きながら歌うしかないイスメイの姿には胸を締めつけられる思いでした。禅さんはロミジュリのお父さんの時も思ったけどこういうザ・人間みたいな役が本当に上手だなあ。ベテランさんに何を今さらという感じですが。

 

テニミュの頃はひょろひょろしてた印象の相葉くんが胸板が厚くなって立派な大人の男になってたのがビックリしました。スーツ似合う!さすがアンジョラスをやっただけあって成長したんだなあ。すごいアリスといちゃいちゃしててしょっちゅうリフトしてたので、そりゃがっちりしてなきゃ無理だよなあ。

席が通路側だったのでボートのシーンで真横に渡辺くんがいて生歌が聴けたのがラッキーでした。バレットと通信士のシーンも微笑ましくてよかったし、ボートをジムに譲ってしまうバレットの朴訥とした実直さにも泣かされました。後ろでジムとケイトに救命胴衣を譲っているストラウス夫妻も。あのシーン見どころ多すぎて目が足りない。ストラウス夫妻のやりとりも全部素敵だった。アイダのドレスがすごく綺麗。

 

最初はでもみんな死ぬんでしょ?観終わった後暗い気分になるのはやだなあと思っていたのですがそれ以上の満足感というか、今年みた舞台の中で一番よかったかもしれない。トム・サザーランド演出は初めてだったんですが、暗転がほとんどないのに驚いた(暗転が嫌いだそうですね)。集中力が途切れずあっという間でした。

観終わったあともあそこがよかったなあ、あの人素敵だったなあと余韻にひたれる舞台ってそんなに多くないんだけど、タイタニックは間違いなくそれでした。また再演されたらぜひ観たいです。

 

【舞台】劇団シャイニング『ポラリス』大阪公演

10/6 昼 10/8 昼(大千秋楽) シアタードラマシティ

 

とりあえずポラリス大千秋楽おめでとうございます。皆さん怪我がなくて何よりです。ドラマシティは大好きな劇場なのでウキウキ行きました。椅子がふかふかで音響が良すぎて同じ舞台とは思えなかった。アイアがつぶれて(語弊)本当によかった。

そして心配した通り大阪もなかなかの空席具合でした。今まで結構たくさん舞台に行ったけどぶっちぎりNo.1のガラガラっぷり。つかドラマシティで空席なんてほとんど見たことなかったんで椅子が赤いから空席が目立つというのも初めて知った。大千秋楽はほぼ満席で逆にビックリした。

 

舞台自体は、全体的に細かい演出などが変わっていてキャスト陣の演技もだいぶ変わっていた印象でした(特にヒロ!)。熱がこもっているというか遊ぶ余裕ができてきたというか、東京よりずっと楽しかったです。欲を言えば東京からこれが見たかったとも思いますが。泣くわ怒鳴るわ涙も汗も涎もたれ流しで大迫力というか、空席多すぎてヤケになったのか開き直ったのかと思った。あと大阪はお客さんの反応がいいですよね。無言でも今盛り上がってるんだなーというのが伝わってくるので役者さんも盛り上がりやすいのでは。

 

覚えている変更点は必殺技の練習のとこでトキヤを巻き込むときのヒロのセリフが毎回違ったり、トキヤとナツキの間に割り込むときの「ハーイそこまで!」がなくなってたり?あと全体的に間が詰まったというかスピーディーになってた気がするからもっとセリフ削られてるとこあったのかも。東京でちょっと感じた中だるみ感が大阪ではなかったので。

 

特に変化を感じたのはトキヤとセシルとヒロ。トキヤは熱量が上がったというのもあるけど二回とも同じシーンでも演技が変わってたから毎回こうだったんだろうな。安里さんがニコ生でひたすらのすけさんに合わせてたと言ってた。セシルはもともとかなり完成されてた印象だったので演技そのままでより情熱的になった感じ。ヒロは東京で初登場時に感じた重さがなくなってて驚きました。セリフも声を張るところで割れるくらい張り上げたり、全体的にメリハリがついて本当にすごくよくなってた。ラプールに乗っ取られるところも、正直東京は狂ったヒロという感じだったけど大阪はちゃんとラプールに見えた。

だからこそ何でこれを東京から…とも思ってしまう。大阪までの間に演出からそういう指示があったのか自主的な変化なのかはわからないけど。

 

大阪ではうたプリ知識は私と同程度の友達に付き合ってもらったんですが、彼女もすごくよかった!泣いた!と喜んでくれたので、この舞台が誰にでも楽しめるものなんだというのは確信できて、だからこそあの空席が余計心残りだったり。

でもうたプリの民の友達にいろいろ聞いてみたら本来一番の客である原作ファンが見込めないからキャスト人気に頼ったせいで集客がキャストに左右されてしまうとかそもそも原作のポラリスが不人気だとか(スパイや海賊や貴族に比べたらSFやロボは女子には厳しい)本家がイベント続きでみんな舞台どころじゃねえとかCP的に美味しくないとかキャストが解釈違いとか、二次元オタクとしてそりゃそうだね!!!!と激しく納得できすぎる理由ばかりで頭抱えた。あと他の人気舞台と被りまくりだったのもな。〇〇なければ追いチケしたのに~とか結構見た。

 

何というか反発が強いからこそ原作に誠実であろうとして興行としては墓穴を掘った感。レビューにはオリキャラお断りの伝統も正直あの時間持て余して困った(千秋楽のみ出てきたけど)。ライブパートにも乱舞祭にもオリキャラ総出演の刀ミュの方がよっぽど劇団刀剣乱舞してるよなーとぼんやり思ったり。ちゃんと自前のキンブレ振ったけど。

 

すごくいい作品だったけどガラガラで、だけど劇シャイ自体は次からは人気キャラ人気CP人気キャストでチケ難公演再びになること確定だしポラリスって何だったんだろう。総じてものすごく運が悪かったってことなのかな。まとまらないから終わる。

 

 

【舞台】劇団シャイニング『ポラリス』

9/15 昼夜 9/16 昼 AiiAシアター

 

推しが出ているもののメインではないし大阪もあるから、まあ一回くらい見ておくかと大阪公演のみ購入していました。初日があけて感想を検索してみると絶賛の嵐。そしてそれと同じくらい「ガラガラ」「空席目立つ」という意見が多く軽く混乱しました。私はうたプリにも劇団シャイニングにも詳しくないので、うたプリってだけで人気なんじゃないの?と思っていたのですが。でも確かに大阪公演まだめちゃめちゃ余裕で買えるなとは思っていた。まあ面白いなら早くみたいしチケット譲渡でアホみたいに安く手に入ったので連休使って行ってみた。

 

最初はロボとかSFとか舞台でやるとちゃちくなるよね~とかそもそもSFあんまり好きじゃないしとか全然期待してなかったんですが、終わったらポカンとするくらい面白かったです。謎の生命体の攻撃によって危機にさらされた人類が巨大ロボに乗って戦うそのパイロット養成機関にエリート三人組がいて、そこにたまたま一般人が入ってきて…というものすごくありがちな話ですが(これは元になったドラマCDがそういう話だから仕方ない)、それを通じて描かれていたのは何だかとても身近で普遍的で、健気でいじらしい人間ドラマだったように思います。キラキラしたアニメキャラ然としたトキヤセシルナツキがそれぞれ分かりやすく欠落やコンプレックスを抱えていて、彼らに対する舞台オリジナルのキャラたちも平凡な自分に対して思うところはあるけれど、それを平凡であるがゆえのまっすぐさで乗り越えていて、そんな彼らが三人を変えていくという構図もよかった。みんないいところがあるのに自分じゃそれに気づかないよね!ってこれフルバのおにぎりの話じゃん…。敵である彼も含めて全員に共感できたし、みんな愛おしかった。

 

前半の笑えるシーンや何気ないセリフが実は伏線で、後半同じ行動やセリフがまったく意味を変えて繰り返されていくのもとても気持ちがよく驚かされました。クライマックスのあのシーンから戦闘!ピンチ!必殺技!!そして…の流れもベタだけどそれが気にならないくらい気持ちよく盛り上がれて、それは私が彼らのことを大好きになっていて本当にがんばってほしいと素直に思えるからで、何だかずっと泣いてました。特に必殺技のあのセリフとあの演出はずるい…!アニメでよくあるシーンですが、あんなふうに表現できるのか!と驚かされたし、まあとにかく泣いた。

 

隣にいる人間同士の些細なすれ違いや行き違いという普遍的なテーマが小さなことから国や宇宙というすごく大きなものに自由自在に広がっていく話が私はとても好きで、そういう意味でも『ポラリス』がとてもはまったんだなと思います。

 

ロボ戦やエネミーもかっこよかったし、キャストもアンサンブルも身体能力がすごくてアクションもとても見ごたえがあった。そういうニチアサやヒーローショーみたいな単純なかっこよさと面白さと、シナリオの繊細さとエモさが両方味わえてとてもお得な舞台なんじゃないでしょうか。2.5としての感想は知らないので言いづらいけど、原作やキャラのファンの人たちからも概ね好評みたいですし。都合もあって三回しか見られてなかったけどできればもっと見たかった。2.5であることが逆に間口を狭くしていてもったいないなと感じるくらい良かったです。

 

以下キャストごとの感想

 

・トキヤ

最近やたらとお名前を見るのでめちゃくちゃ推されてるんだなーと思ってましたがそれも納得でした。一番変化があってドラマのある役だけどそれがよく伝わる繊細な演技で、特に最初と最後で声の柔らかさが全然違うのに驚いた。全体を思い返してあのシーンよかったなとかあのセリフ好きだなとか考えるとトキヤのシーンがすごく多くて、特に推しでもない人間にこれだけ印象残せるのってやっぱり実力あってこそだと思います。

 

・セシル

ザ・器用という印象。くるくる変わる表情と動きで見ているだけで楽しい。アクションの動きもすごかった。よっこいさんも実力派だなあと思います。出てくるとすごい安心感がある。頭ちっちゃくて体が細くてアニメみたいで2.5向きなスタイルだなあと思った。レビューのファンサがすごくてよっこいさんのファンはきっと楽しいだろうなあ。くしゃっとした笑顔が本当に可愛い。

 

・ナツキ

みんな言ってるけど足が長い。5mある。顔が小さくてメガネと髪型のせいもあってよく見えない。あまり舞台経験がない上にキャス変で今回初めましての方だったらしいのですが、あの見た目の説得力はすごい武器だと思うのでがんばってほしいです。経験が浅いゆえのふわふわ感が今回はナツキの優しいキャラと合っててよかったです。

 

・ヒロ

メインの三人がいかにも2.5なお芝居をしている中にいきなり芝居が重い人が出てきたぞ?!と戸惑いました。新人で後輩の役どころなのにあれはいいんですかほさかさん…。キャラとしてはめちゃめちゃヒロイン枠で発光してんのかっていうくらい光属性でほ、ほさかさん?!(二度目)2.5 的な大げささがあまりないのが安里さんのいいところでもあり物足りなく感じるところでもあると私は思っているのですが、キャラっぽさが薄い分余計にあの結末はきつかったです。要するにすごく泣いた。

 

・レグスター

もう安心安定のレグスター先輩という感じで出てくるのが待ち遠しいくらい面白かった。柏木君顔はかっこいいのにコメディセンスが抜群なんだなあ。おどけてるけど哀愁のある役どころがすごくよかった。あんなのみんなレグスターパイセン大好きになるやん…。あとアクションがさすがだなあと思いました。暴走したエヴァみたい。

 

・ラプール

ザ・器用その2。ましゅうくんもいろんなところで名前を見るなあと思っていたけどそれも納得の演技の上手さ巧みさ身体能力で、そりゃ現場の人は彼を使いたいって思うよなと思った。癖の強い役だけどとてもキュートで、でも底知れない不気味さもちゃんと感じられたし、ラストシーンには毎回泣かされました。

 

・エンゲルバー

どうしても葬儀屋さんのイメージが強かったんですが、すごく渋くてかっこよかった。声がかっこいいしパパノセが出てくると全体が引きしまるのでこういう役はほんと必要だなと思います。カテコやレビューでのはしゃぎっぷりが可愛かった…。

 

アンサンブルさんたちもすごく個性的でキャラが立ってて面白かったです!アーサーとスタンリーとか研究員とか三秒先輩とかみんな愛しい。アクション激しくてハラハラしますが大阪公演も皆さん怪我なく終えられますように。

【舞台】メサイアー暁乃刻ー

メサイアシリーズ。ずっと気になってたけどたくさんあるしどこから手をつけたらいいのか分からないんで放置してたけど思い切って円盤ぽちってみた。

家で映像で舞台を見るときに自分に合わない舞台だと三分くらいで気が散って皿とか洗いたくなるんだけど、合う舞台だとずっと見ていられるっていう基準があって(誰だってそうだと思うけど)幸いメサイアもずっと見ていられたので損しなくてよかった。今は配信とかで舞台も気軽に見れるけど三分で皿洗いたくなる舞台も多いから…。今まで最後まで見てられたのは弱虫ペダルとトランプシリーズとか。でも同じ演出家の作品でも眠くなっちゃうのもあるから難しい。

感想としては何かすごい熱量の作品なんだなーということ。赤澤燈くん初めて見たけどすごいしんどそうな役をしんどいまま演じてて見てるこっちもしんどかった。ここまでのシリーズの積み重ねとかキャストの思いとかいろいろあって、そこを共有してないけどしてないなりに読み取れる迫力があったと思う。

黒づくめの制服を着た暗殺機関のエージェントでかっこいいアクションの連続、これに加えてエモい男同士の熱いドラマのてんこ盛りで、これ演じる男子はそりゃ楽しいし気分いいだろうなあ。男が男のために命をかけて涙を流してっていう世界なのにあんまりBL臭しないのが意外だった。自分が鈍いだけかもしれないけど。

若俳って基本イケメンばかりだと思ってたけどメサイアは個性的な顔が多くて、その中で井澤くんと山田くんの顔の良さが際立ってた気がした。顔が良くて演技も上手でスタイルもよくてアクションもバリバリこなせるってどんなだよ。ホントに若俳の世界は群雄割拠の戦国時代なんだなあ。

安里さんが好きなので贔屓目で見てしまうけど、キャストに役を寄せるというメサイアで安里さんがあんなサイコパスにされたのがわかるようなわからないような。Dr.TENよかった。彼が地獄を鼻歌まじりに歩いていく様が目に浮かぶ。あと声が高くて澄んでてすごくいい。神さまの声みたいだった。

これだけ見ても先が気になるしその前も気になるし、でも今から遡るなら円盤買うしかなくてどうしようかな。とりあえずDr.TENが出るみたいだから映画は見ます。

【舞台】宝塚月組 エリザベート

宝塚大劇場 9/8マチネ

 

今まで結構ヅカを見てきましたが贔屓が宙組だったことと、あと前トップのまさおさんの癖の強い演技が苦手だったこともあり(今でもどうしてあんな変な調子をつけて演じていたのか謎なんですが)初の月組でした。ちゃぴちゃんは一度生で観てみたいと思ってたので卒業公演になっちゃったけど見れてよかった。

 

エリザベートは音楽と雰囲気が好きで、お話はエリザベートもトートも矛盾だらけでこんがらがるのでまあ史実がこうだしな…と深く考えるのを放棄していたんですが、月組はきっかりこうでこうでこうだからこの人はこうしたんです!という説得力を持たせるところに力を入れていて、初めて納得できたというかお話し面白いなと思いました。ずばぬけて歌が上手い人がいない印象だったのでどうするんだろうと思ってたけど芝居の延長としての歌だという説得力があるので上手い下手は気にならなかった。スピード感とテンポがよくてあっという間に感じました。面白かったー。エリザは毎回チケ難になるけど、それでもここ数年の再演で一番面白かった。ていうかその再演がほぼ娘役の卒業(宙組は違うけど)っていうのが。やっぱりシシイは娘役の夢なんだな。

珠希さんのトートは散々健康的でどうなのと言われていましたが、確かにめっちゃ強そうだけど強そうなりにお前を絶対殺して黄泉に連れてくマンに見えたのでこれはこれでアリなんじゃないかと思います。珠希さんガタイはいいけど顔はかなり女性的な美人なんだなー。あと鼻筋がしっかりしてるから横顔がかっこいい。ちゃぴちゃんは踊りの人という印象でしたがお芝居もすごくよくった。ご本人も一番好きだと言っていたパパみたいにがめちゃくちゃ可愛くて、またパパ役のまゆぽんがイケメンで眼福でした。フランツ美弥ちゃんはボンクラ亭主っぷりが上手かった。今までなんだかんだでフランツってイケメンだから別にそこまで嫌わなくても~と思っちゃいがちだったけど、美弥ちゃんフランツはこいつ頼りにならねえし何にも分かってくれねえな…みたいなあきらめを感じたのでそれは美弥ちゃんが下手に同情を引くようなお芝居をしてなかったせいだと思う。ルキーニ月城さんは顔がいいというお噂はかねがね…と思いながら見たけどやっぱり顔がよかったです。でも綺麗な人が演じるからこそ狂気を感じたというか。でもやっぱりフィナーレで紫の軍服着て出てきたときが一番上がったから次は正統派イケメンで見たい。すーさんはいつも癖の強い役をものにしていて本当にいい女優さんだなと思っていたので、寂しいけど卒業後も活躍してくれることを祈っています。ていうかすぐイケコの舞台に呼ばれそうだな。

 

これを書いてる現在(9/24)美弥ちゃんが休演という大変なことになってしまっているのですが、代役もしっかり演じていて好評みたいで月組本当に頼もしいな。美弥ちゃんゆっくり休んで元気に復帰してください。

【舞台】宝塚BOYS teamSKY

9/1サンケイホールブリーゼ マチネ

 

以前からいいという評判を聞いて気になっていたし、ヅカオタとしては見ておきたかったので役者も誰も知らないのに取ってみた。一般発売から結構日が経ってたけど普通に取れたのであんまり売れてないのかと思ったけど行ってみたら満席でした。原作ファンのいかにもな二次元オタクがそこそこいる2.5と違って純度100%の若俳の現場!!って感じでなんか肩身が狭かった。お客さんもキャストもみんなきらきらして眩しかった。

 

大阪は若手チームであるSKYのみで、どうせ見るならベテランチームがよかったなとちょっと思ってたけど、みんな体当たりで演じてて上手だった。なんか2.5って例えスポーツものでも汗の匂いを感じさせちゃいけないところあるけど、ヅカボは臭い臭い言うし実際臭そうだし、そういう舞台を2.5とかに主に出てる役者さんたちがやることに意味があるんだろうなあと思った。

女ったらしのたけちゃんが一番いいなあと思ったから確認したら川原一馬さんで、名前はよく見るから知ってる人だった。また何か縁があって舞台で観られたらいいな。

星野役の中塚さんも何か見たことあると思ってたらコードギアスのミュージカルでスザクやった人だった。当時ギアスにどっぷりはまっていたからかえって見に行けなくてスルーしたんだった。舞台はこけたけどミュはそこそこ好評で続編もあった気がする。でも当時から活動している人なら十分ベテランなのでは?と思ったけどバレエ踊れる人じゃないと無理だからなのかと納得した。若俳でバレエ踊れる人ってなかなかいないもんな。三浦ひろきくんくらい?

最後どうなるかは訓練されたヅカオタだから知ってたけど、それにしても一三ひどいな。ていうか、ヅカオタだから小林一三が阪急グループの創設者でどんだけ偉い人かとか、ボーイズが目指している宝塚の舞台というのがどういうものか知ってたけど、キャスト目当てに見に来てるお客さんはピンとこないのでは?っていうのは疑問だった。一三が阪急の創設者って説明なかった気がするんだけど。そもそも宝塚の話なのに製作が東宝じゃないから権利とか難しいんだろうけど、冒頭で宝塚のド派手なレビューとかを映像で流せれば分かりやすいのになあ。

思ったよりはるかに戦争色が強くてみんな可哀そうでやりきれない気分になったけど、若いキャストが演じた分希望も感じられて気持ちよく帰ることができてよかった。大丈夫君たちにはこれからいいことあるよと思ったし、実際今の宝塚以外は2.5ばかり舞台の上で輝いているは若い男ばかりの現実があるからなあ。とかいろいと考えてしまった。また再演されたら違うキャストでも見てみたい。

【舞台】ラ・カージュ・オ・フォール

2018/4/21ソワレ 梅田芸術劇場メインホール

何かよく再演されてる演目、くらいの認識で特に観たいと思ってなかったけど見た人の感想が軒並み鹿賀さんが(悪い意味で)やばい、セリフが完全に飛んでる、もう無理なんじゃないかというのばっかりで、じゃあもう再演はないかもしれないなーと思ってギリギリでチケット取って見に行きました。結果見に行ってとてもよかった。

レビューシーンが思ったより長くて、本当にラカージュの客席にいるような気分になれて面白かった。でっかいお兄さんたちがハイレグ着て踊りまくるので最初は面食らったけどすぐ慣れた。でもこの辺抵抗ある人もいるかもなーとは思った。真田丸で印象的だった新納さんを生で観られて嬉しかった。当たり前だけど秀頼さまと全然違う。客席に年配の男性が意外なほど多かったんだけど、あのおじ様たちは鹿賀さんとか市村さんのファンなんだろうか。

鹿賀さんも市村さんも生で観たことはなかったので圧倒されました。確かに鹿賀さんはセリフがところどころ危うくってジャン・ミッシェル役の木村さんが明らかにフォローしたりしててハラハラしたけど。でも情感たっぷりの歌とか最初誰!?ってなるような役作りとかさすがだなあと見とれてしまった。一方市村さんは本当にお元気で…信じられないくらい元気ですね…。あんなの、みんなアルバンを好きになるよなあ。一幕最後の「ありのままの私」は圧巻でした。

ジャン・ミッシェル役の木村達成さんは以前ナルトで見たことがあって、スタイルがよくてきれいな顔をしてる上に運動神経もいいなんて最近の若手俳優は本当にすごいなーと感心したけど、今回も出てきた途端に足長っ!!顔良っ!!とびっくりしたし、そりゃこんな可愛い息子におねだりされたらパパ聞いちゃうよね~と思わせる説得力があった。すごいキュートだった。木村さんがナルトで主従関係だった大蛇丸役の悠未さんがヅカ時代から好きで、ナルトもそれで見に行ったんだけど悠未さんは歌がとても得意で木村さんともよくミュージカルの話をしたと言っていたのでその辺からもっと大きい舞台を目指していたんだろうなあ。若いのに本当にしっかりしているしファンの人は安心して見守れる人なんだろうな。

アンヌ役の愛原さんは初登場の、セットの扉からポーンと飛び出してくるところが夢のように可愛かった。あのシーン大好き。ヅカ出身の娘役さんって隣に立つ男役をかっこよく見せる力が求められると思うんだけど、それはリアル男性に対しても有効なんだなあと愛原さんは花總さんを見てるとすごく思う。

もっと色物の笑える作品かと思ってたけど全然まっとうで明るく気持ちよくさせてくれる作品で、できればもっと見たいのでまた再演してほしい。鹿賀&市村ペアは難しいかもしれないけど、できる役者さんは育っていると思うし。